距離

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年8月31日

 人もヒグマも互いを恐れ、安全な距離を確保し合うのが北海道のおきてだった。そんな関係が崩れ、札幌でも白老でも、危険なすれ違いが続いている。

 「となりの野生ヒグマ いま何が起きているのか」(北海道新聞社)に一昨年、札幌市と道立総合研究機構、酪農学園大が合同で行った札幌の市街地近辺のヒグマ生息数調査結果を報じた新聞記事が転載されている。調査では33頭を確認。うち少なくとも7頭が成獣の雌で、11頭の子グマを連れていた。ほぼ同数が今夏も生息していたとすれば、14日に南区で8歳の雌が駆除されて1頭減っても、総数に大きな変化はない。駆除後に同じ南区でヒグマが目撃されても不思議なことではないようだ。

 農地開拓から、工業開発やゴルフ場など観光開発、宅地開発の時代を経て山奥に追われていたヒグマが人里に迫る。それが今だ。

 ヒグマ駆除を目撃した同僚の話を聞いたことがある。駆除されたのは若いクマ。ハンターらと対峙(たいじ)したが、逃げない。数メートル離れた所に威嚇射撃をしたものの、着弾場所の臭いを嗅ぐだけでやはり逃げない。「このクマは、人間を恐れない危険なクマ」。将来の事故を防ぐために駆除されたそうだ。20年以上も前の話だ。

 ヒグマは誰にでも襲い掛かる猛獣でもなければ、かわいい縫いぐるみでもない―という。距離を誤ることなく相手を学び、互いに安全な距離を再確認したい。(水)

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