道内陸上自衛隊トップの北部方面総監に着任した吉田圭秀(よしひで)陸将(56)が26日、札幌駐屯地で記者会見を行った。吉田陸将は「北海道の防衛・警備、あるいは災害対処など、与えられた職責を果たす」と抱負を述べた。
東京都出身。東大工学部卒業。陸上幕僚監部防衛部防衛課長、西部方面総監部幕僚副長、陸上幕僚監部防衛部長などを経て、前任は第8師団(北熊本駐屯地)の師団長。総監就任は23日付。
初任地の第26普通科連隊(留萌駐屯地)勤務以来、約30年ぶりの北海道。北部方面隊については「全国で最も防衛力が充実しており、3万人の隊員がいる。われわれに与えられた任務、使命は極めて重い」との認識。「北部方面隊が陸自全体をリードしていくという意気込みで職務を果たしたい」と力を込める。
伝統を継承しつつも先進的な作戦集団に進化させ、どのような事態にも国民と領土を守れるよう即応性と強靱(きょうじん)に任務を完遂できる部隊をつくり上げる、との考え。「自治体や警察、消防、海上保安庁、海空自衛隊と連携して、チーム北海道の一員となる北部方面隊を目指す」と語った。
日本を取り巻く北東アジアの国際関係は不透明化、複雑化の度合いが増している。このような情勢に対しては「北海道の防衛に万全を期し、事態が生起したときには緊急展開して任務を完遂する使命がある」とし、「このような戦略環境にあるからこそ地に足をしっかり着けて、抑止力、対処力を徹底して磨く。このことが地域の安定化要因になる」と展望した。