恵庭市は、第2期観光振興計画(2016~25年度)に盛り込んだ主な取り組みの2018年度の成果をまとめた。設定した指標中、イベントの満足度の向上、情報発信の活発化などにより6項目で前年度を上回った一方、胆振東部地震や台風被害を受けたとみられる海外からの入り込み減などから、10項目で前年度を下回った。
同計画は第5期市総合計画(16~25年度)の個別計画として策定しており、基本方針の「市民が主体となった『観交』まちづくり」「観光プロモーションの充実」「魅力ある観光地づくり」を柱に、八つの基本施策と、主な取り組みとして22項目を盛り込んでおり、18項目で成果指標を設定。毎年効果を検証している。
前年度を上回ったのは、「おもてなし・受け入れサービスの向上」「Wi―Fi(ワイファイ)=公衆無線LAN=環境の促進」「ホームページの充実」「観光資源の集中発信」「渓谷観光の推進」「新たな体験型観光の推進」の6項目。これらの成果指標はアンケート結果による、えにわマルシェなど各イベントの満足度、ワイファイの設置件数、ホームページのアクセス件数、オープンガーデンの来場者数、恵庭渓谷の来訪者数、体験型観光実施施設数が基となる。
このうち、恵庭市、観光協会などのホームページのアクセス件数は前年度を13万件上回る34万件に上った。
一方で、項目全体の約6割の成果指標の数値が前年度と比べて減少。「人材育成・市民意識の醸成」は、花とくらし展・恵庭マルシェの来場者数を成果指標としているが、悪天候を受けて減少。「外国語表記への対応」は訪日外国人旅行者(インバウンド)の数、「エージェント等へのプロモーション」は観光宿泊延べ客数の両指標が前年度を下回った。
このうち観光宿泊延客数の減少は、隣接する千歳市に宿泊施設が充実してきたことが背景にあるとみられる。
また、18年度の観光入り込み数は前年度比5000人増の135万7000人、観光消費額は前年からほぼ横ばいの約61億円だった。
同計画では20年度で前期が終了し、中間見直しを経て21年度から後期がスタートする。見直しに向け市は今年度から、成果指標や目標数値などの実態調査を民間事業者に委託して行う。20年度に計画変更案をまとめる。
市花と緑・観光課は「観光を通じて恵庭を知ってもらい、恵庭に住みたいと思ってもらいたい。持続的な来訪を目指していく」としている。