2020年に創立50周年を迎える苫小牧市文化団体協議会(文団協)は、記念事業の一環で市内の文学的系譜を網羅した冊子「苫小牧文学の歩み」を作成する。1985年と95年に同じ趣旨の冊子を作っており、25年ぶりの文学年表発刊となる。来年10月の市民文化祭までの完成を目指しており、市民から協賛金を募っている。
市内の文化関係団体でつくる文団協は70年4月、市文化振興連絡協議会として発足。2002年4月に現名称となり、現在は163団体(4366人)で構成している。
「苫小牧文学の歩み」には市内で活動する文芸団体、結社の設立から現在までの動きを掲載するほか、無所属の市民の創作活動にも焦点を当てる。
市民文芸賞やとまみん文学賞の受賞者一覧、苫小牧ゆかりの作家のプロフィル、出版物などを紹介。巻末には1921(大正10)年から2019年3月までの小説、詩歌、俳句、短歌、川柳、劇作(演劇)など各ジャンルの発表、発刊時期とタイトルを年表形式でまとめる。
前回作った文学年表の約7倍の200ページほどになる見通し。
約200部を発行し、市立中央図書館やコミセンなどに配布するほか、胆振管内の各文化団体協議会などにも郵送する考えだ。
編集委員は17人。釧路公立大学の森山弘毅名誉教授が監修し、苫小牧郷土文化研究会や演劇団体などにも協力を求める。
協賛金は1口1000円で1人何口でも可。口数に関係なく、冊子1冊を贈呈し、協力者の名前を掲載する。目標額は50万円という。
申込用紙は市文化会館1階のリーフレットコーナーに設置。必要事項を明記し、協賛金と共に同館4階の文団協事務局まで持参する。
文団協の副会長で、苫小牧文学の歩み編纂(へんさん)委員長の宮脇惇子さん(74)は「ここでまとめておかなければという危機感もある」と強調。現時点で苫小牧文学の系譜をまとめたものは年表しかなく、各団体の会員減少や高齢化が進み、「過去を知る人が少なくなる今だからこそ完成させなければならない」と意気込む。
宮脇さんは「大正時代から令和時代までの歩みを関係者一丸となって記録し、次世代に継承したい」と協力を呼び掛けている。
問い合わせは同編纂委員会の宮脇さん 電話0144(33)3701(平日のみ対応する)。