道内各地で読み聞かせボランティアをしている札幌市の松嶋珪子(けいこ)さん(81)が1日、苫小牧市表町3に私設絵本図書館「とまこまい宇宙船みみ」をオープンさせた。同日、開館セレモニーが行われ、松嶋さんと親交のある関係者ら約30人が集まって開館を祝った
「宇宙船みみ」は苫小牧駅前本通り沿い、ヘリテージ・キムラの隣にオープン。2012年から今年3月まで帯広市内に開設していた私設文庫を移転させての再出発となった。
自宅のリビングのようなゆったりとした空間に松嶋さんが所有する国内外の絵本約3000冊と、児童書約1000冊がずらりと並ぶ。閲覧のみで、貸し出しはしない。
セレモニーでは、苫小牧ねじをまく会の菊地啓喜会長を進行役に、松嶋さんが大型絵本「おこだでませんように」を朗読。市内沼ノ端中央のブックカフェ豆太の墨谷真澄店主も言葉だけで物語を楽しむ「語りの会」を開いた。
出席者全員で、童謡「おひさまになりたい」の歌詞の一部を「えほん」に置き換えた歌の合唱も。子どもたちに絵本を好きになってもらいたい―と長年、松嶋さんが絵本サロンで披露してきた。
来賓を代表し、白老町環境町民会議の中野嘉陽会長が「宇宙船が飛び立てるように、みんなで支えていきたい」とあいさつ。菊地会長も「たくさんの子どもたちが利用する中で、心豊かに育ってほしい」と語った。
同館は原則、毎日午前10時から午後5時まで無料開放する。来館者が自由に本を手に取って楽しんでもらうほか来館状況を見ながら、読み聞かせ会も行う。松嶋さんは「苫小牧の地で絵本がどんどん広がっていけば」と話していた。