「関係機関との連携重要」 苫小牧で児童虐待対応研修 室蘭児相の担当者、実情報告

  • ニュース, 主要
  • 2019年8月27日
児童虐待の現状を語る宮田課長

  保育士や民生委員・児童委員らを対象にした児童虐待対応研修が2日、苫小牧市民活動センターで開かれた。室蘭児童相談所(室蘭児相)の宮田顕一郎子ども支援課長が、管内の児童虐待の現状などについて報告。「児相だけで児童虐待問題を解決することは困難。地域の関係機関との連携が非常に重要」と強調した。

  保育園や幼稚園、市の関係各課、民生委員児童委員協議会、医療機関などでつくる、市要保護児童対策地域協議会(松村順子会長)の主催。約220人が出席した。

  宮田課長は、室蘭児相が胆振と日高の4市14町を管轄し、広島県とほぼ同じ広さのエリアを11人の児童福祉司で担当していることを紹介。24時間の相談対応に加え、子どもを親から離して保護する際に必要な諸手続きや全道各地の施設に入所する子どもへの継続的な対応などで職員が疲弊している現状を明かした上、関係機関・団体と連携して問題に対応する必要性を力説した。

  児相が児童虐待の通報を受けた場合、48時間以内に子どもの現況を直接目視で確認する「48時間ルール」にも触れ「子どもの命を守るためにも、虐待が疑わしいと感じた場合はためらわずに通報してほしい」と訴えた。

  このほか、2021年度に室蘭児相の分室が苫小牧市内に開設されるのを前に、今年度から4人の児童福祉司が市内に常駐して、体制強化を図っていることも説明。養育に問題を抱える人の中には、もともと対人関係を築くのが苦手で地域で孤立してしまう人もいるとの見方を示し、「子育て世代の孤立を防ぐ地域活動も重要」と述べた。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。