市内ホテル 地元関連商品が充実 知名度向上に一役

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  • 2019年8月27日
苫小牧の特産品を豊富に取り扱うホテル=グランドホテルニュー王子

  苫小牧市内のホテルで市内の観光振興やまちの知名度アップに取り組む動きが広がっている。土産品などで人気のレトルトホッキカレーや市公式キャラクター「とまチョップ」のグッズをそろえ、宿泊客からも好評。市内の観光スポットや飲食店を紹介するパンフレットも充実させるなどPRに一役買っている。

   市内錦町の飲食店街に隣接するスマイルホテル苫小牧は7月に苫小牧のPRコーナーを拡充した。藤田裕行支配人は「せっかく来ていただいたので、少しでもこの街のことを知ってもらおうと始めた」ときっかけを語る。

   フロントの横には、インスタントのカレーラーメンや珍味など約30種類の地元企業が取り扱う商品を並べる。観光スポットや飲食店の案内パンフレットも40種類ほどをそろえており、「ホッキ貝が有名なことを知ってもらったり、パンフを活用していただくなど反響もある。今後も積極的に発信をしていきたい」と藤田支配人は語る。

   表町のグランドホテルニュー王子は、宿泊以外に会合や宴席などで市外からの利用が活発。1階の直営店ナナカマドでは道内産の水産加工品や菓子など約700種類を取り扱うが、このうち約100種類は苫小牧産の品々だ。宿泊客などのニーズを調査し、乾物や昆布などの土産向けもそろえる。

   売り場を担当する従業員の久保悦子さん(61)は「大ぶりの冷凍ホッキ貝がお薦め」とアピール。会合などの際に立ち寄る市民も多く、贈答向けでも利用があるという。

   JR苫小牧駅に近いホテルウィングインターナショナル苫小牧は4年前からとまチョップグッズを販売する。携帯電話のストラップやキーホルダーなど約30アイテムをそろえ、苫小牧のお土産としても喜ばれる。近年は中国や台湾など外国人観光客の宿泊も多く、キャラクターのかわいらしさが好まれ、買い求める人も目立つという。

   市内や道内の観光パンフレットも各種準備するなど、観光客向けの情報提供に力を入れる。菅野健太支配人は「とまチョップグッズの人気は想定以上。今後もニーズを見ながら苫小牧をPRしたい」と語った。

   こうした動きに苫小牧ホテル旅館組合の佐藤聰組合長は、「市の公式ペットボトル飲料水『とまチョップ水』を販売するところもある。地元の観光振興に取り組むホテルは今後も増えそう」と話している。

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