高齢者の生活を手助けするボランティア活動に対し、換金可能なポイントを付与する苫小牧市の「介護支援いきいきポイント事業」。コロナ禍の後、高齢者施設での活動が減る中で、在宅高齢者からの依頼は急増している。事業を運営する市社会福祉協議会の市ボランティアセンター(ボラセン)は、高齢化の進展でニーズはさらに高まるとみて、ボランティア登録者を増やしていきたい考えだ。 同事業は市民の社会参加を促進し、介護予防につなげることを目的に2012年度、道内の自治体で初めてスタート。23年度にボランティア登録できる人の年齢を従来の65歳以上から40歳以上に引き下げたほか、介護予防体操「シルバーリハビリ体操」の普及活動も事業の対象に加えた。 当初はボランティアが高齢者施設に出向き、レクリエーション活動の支援や高齢者の話し相手、施設内や敷地の清掃、入浴後のドライヤーがけといった施設をサポートする活動を主軸としてきたがコロナ禍で施設での活動が激減。年間の活動件数は延べ3000件台で推移していたが、20年度は973件まで落ち込んだ。 23年度以降、高齢者施設での活動は徐々に回復しているものの24年度、ボランティアを受け入れる施設数はコロナ禍前から4割減の25カ所にとどまっている。 一方で、コロナ禍前に全体の1割程度だった在宅高齢者への支援活動が目立つようになっている。23年度は年間延べ活動件数3850件のうち約3割の1148件、24年度も12月末時点で4153件中1024件を数える。 活動内容は散歩の付き添いや話し相手、家電の操作の手伝い、通院時の医療機関内での移動支援など日常生活のちょっとしたサポート。ボラセンのスタッフは「自宅で暮らす高齢者が増えている一方、訪問介護の担い手不足によってボランティアへのニーズが高まっているのでは」と話す。 ボランティアを増やすため、24年度も登録研修会を3回開催したほか、個人・団体の要請に応じて個別の登録研修会を実施。今月21日時点で285人の登録者を確保しているが、支援を求める高齢者の増加や介護予防の大切さを市民に普及させるため、25年度も積極的に登録会を開く考えだ。 事業に関する問い合わせは市ボラセン 電話0144(84)6481。