苫小牧市が今冬、圧雪や凍結した冬道の路面を想定し、実証運行している自動運転バス事業。市の途中経過まとめによると、今月26日時点までの計23日間で計595人、1日当たり25~26人が乗車した。ここまで事故などのトラブルはないが、暖冬で実際の雪道走行は数日にとどまっている。市は引き続きデータを収集し、実装化に向けてさらに検証を進める。 市は自動運転バスの実装化を目指し、2023年度から実証運行しており、今年度は初の冬季実証を昨年12月5日に開始。JR苫小牧駅―海の駅ぷらっとみなと市場(港町)間で毎週木~日曜、1日3往復(苫小牧駅の出発時間は午前10時、同11時半、午後2時)している。今月26日時点で計23日間を無事故で走行した。 市によると、利用者へのアンケートや聞き取りで「急ブレーキが少なく、思っていたより乗り心地が良い」「有料であっても利用したい」などと好評の意見が多い他、「市内のいろんな場所で走ってもらいたい」などと今後に期待する声が寄せられた。 一方、冬道では降雪の状況などによって、感知センサーが敏感に反応することも分かった。19日は大粒の降雪や除雪した雪山にセンサーが反応し、一部手動に切り替えた箇所もあったが、24日は排雪も自動でかわすなど安定して走行した。圧雪した路面でもスリップするといったトラブルはなく、現時点では安全面も確保されている。 ただ、暖冬や少雪の影響で車道は乾燥路面の日が多く、当初の目的でもある雪道の運行はわずか数日。自動運転バスの道内先進事例である十勝管内上士幌町では、降雪時は運休になっているなど、冬の運行は情報量が少ないのが現状だ。市まちづくり推進課は「安全第一」を念頭に、「雪道のリスクなどをAI(人工知能)が覚えて、残していけたら。今後スムーズに走らせるため、今回の結果は積雪時の大事なデータになる」と話している。 自動運転バスは2月16日まで毎週木~日曜。無料で乗車できる。