北海道財務局は30日、最近の道内経済情勢(1月判断)を発表した。総括判断は前回(2024年10月判断)の「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」へ上方修正した。主要項目別では企業の景況感を下方修正したが、個人消費と観光の判断を引き上げた。
先行きについては「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、待ち直していくことが期待される」と指摘。ただ、「物価上昇、金融資本市場の変動等に十分注意する必要がある」としている。
主要項目別では、個人消費は前回の「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から「持ち直している」へ上方修正した。判断の引き上げは23年10月判断以来、5期ぶり。百貨店、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどの販売が前年を上回っていることから、全体の判断を引き上げた。企業からは「インバウンド(訪日客)消費の好調が続いているほか、国内一般客でも高単価の衣料品購入が増加している」(百貨店)、「観光客の増加などで来店客数は伸びている。弁当、総菜の販売が引き続き好調だった」(コンビニ)などの声が上がっている。
観光も前回の「回復しつつある」から「回復している」へ上方修正した。判断の引き上げは2期連続。来道客数、外国人入国者数とも前年やコロナ禍前を上回っているため。企業からは「年末年始は、日並びの良さから旅行需要が高まり、道外からの搭乗客数が前年と比べて大幅に伸びた」(運輸)、「韓国や中国からの観光客数が、直行便の増加などから前年に比べて大きく伸びている。円安の影響を大きく受ける欧米豪についても増加傾向にある」(旅行)などの声が寄せられている。
一方、企業の景況感は前回の「『上昇』超となっている」から「『下降』超となっている」へ下方修正した。判断の引き下げは24年1月判断以来、4期ぶり。
生産活動、設備投資、雇用情勢、住宅建設、公共事業、企業収益の6項目の判断については、前回から据え置いた。