「スマイルジャパン」 DF小池詩織、FW伊藤麻琴 女子アイスホッケー日本代表紹介②

絶えずゴールに狙いを定めるFW伊藤
絶えずゴールに狙いを定めるFW伊藤
初めて主将として最終予選に挑むDF小池
初めて主将として最終予選に挑むDF小池

  最終予選に挑むのは3回目。長らくスマイルジャパンの一員に選ばれ続けた経験の持ち主。判断力にたけているDF。ゲームメークもこなしながらスケーターをリードする。今回の予選では胸に「C」マークを着けている。

   2022年の北京五輪後に大澤ちほさん、鈴木世奈さん、米山知奈さんら女子ホッケートップ層で輝いていたベテランの多くが代表を去った。当時を振り返って「代表を続けるか迷っていた」と心境を明かす。「ベテランの誰かが代表に残ってほしい」―。同じく一線を退いた第一人者の元FW久保英恵さん直々の言葉に触発されて引退を思いとどまった。

   ソチ五輪から3大会主将を務めた大澤さんについて「背中をずっと追い掛けてきた」と敬意を語る。代表活動を13年間共にしながら、道を切り開き、仲間を引っ張り続ける存在。「大澤さんは『ブルドーザー』のような人」と振り返る。

   北京五輪後に多くの若手世代が代表に加わった一方、新たな主将に任命された。今回の代表が形成されようとした当初は「世代ごとに分かれてしまう傾向があった」と明かすが、リーダーとしての在り方を模索。中堅メンバーに上下世代をつないでもらい、コミュニケーションをとり合いながら新たなチームワークを築いててきた。「選手同士の仲は深まっている」

   今回の予選を前に「先輩たちがつないできたものを次につながる展開にしていきたい」と抱負を語った。「3戦全勝で圧倒的に勝つこと」―。挑戦する仲間たちと共有する目標だ。

   抜群のゴール感覚と高いシュートスキルを持つ若き強力FW。代表では主軸のセンターとして定着しつつある。

   15歳で出場した2020年ユース五輪では4ゴール7アシストの活躍で日本の世代代表の金メダル獲得に大きく貢献。早くからその才能に注目が集まった逸材はホッケー修行しながら着実に実力を付けてきた。

   地元釧路のDaishinに6年所属し、五輪3大会出場で歴戦の経験を持ったFW浮田留衣らからプレーを学んだ。ただ当時は試合で自身がシュートを打てる場面でもベテランへのパスを選択するなど「大きな存在に正直言って頼っていた」と省みる。

   「環境を変えたい」と道文教大進学をきっかけに釧路を離れ、23年にトヨタシグナスに移籍した。主力FWの志賀紅音の海外移籍と時期が重なったこともあって「エースの紅音さんがいない中で自分自身もしっかりしなければ」と踏まえるようになった。

   代表メンバーとしての成長ぶりを強く印象づけた場面は24年の世界選手権でのスウェーデン戦だった。第2ピリオド終盤にゴール至近にいて志賀葵―志賀紅音がつないできたパックを空中でチップさせ、軌道を変えて得点。離れ業ともいえるリフレクションゴールを打ち込む見せ場をつくった。

   若いエネルギーが輝きを放つ。「元気を与えるプレーでチームを勢いづけたい」。難敵を迎え撃つ今回の予選で「積極的にシュートを打っていきたい」と燃えている。

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