元大阪地検検事正の北川健太郎被告（65）が部下の女性検事に性的暴行を加えたとして準強制性交罪に問われた事件で、女性の支援団体は27日、被告らへの厳正な捜査と真相解明を求めるオンライン署名5万8967筆を最高検や法務省などに提出した。

　女性検事は東京都内で記者会見し、「最高検と法務省は個別の事件として矮小（わいしょう）化しようとしている。組織の問題だと自覚してほしい」と涙ながらに訴えた。署名では女性を中傷したなどとして告訴・告発された副検事に対する処罰や再発防止も求めた。

　支援団体は同日、25日までの2週間に集まった署名を最高検と大阪高検、法務省の担当者に手渡した。今後も署名を呼び掛け、社会的に影響が広がっている証拠として、北川被告の公判で裁判所に提出する予定という。

　北川被告は昨年10月の初公判で起訴内容を認めて謝罪したが、弁護人がその後、無罪主張に転じる方針を表明。弁護人は27日、「女性が主張する準強制性交の事実の有無は今後の審理で明らかにされるべきだ」とするコメントを出した。