語り継ぐ人 戦後80年●4● ヒロシマ・ナガサキを語り継ぐ会代表 舘崎 やよいさん(83) 毎年8月に原爆詩の朗読会 「証言消えないように」

  • ニュース, 主要, 苫1社
  • 2025年2月1日
長年の平和活動を振り返る舘崎代表

 苫小牧で市民団体「ヒロシマ・ナガサキを語り継ぐ会」を立ち上げ、30年を迎える。広島で被爆し片足を失いながらも二度と同じ惨禍が起きないようにと世界各地で非核平和を訴えてきた沼田鈴子さん(2011年7月に87歳で死去)の意志を受け継ぎ、毎年8月に原爆詩の朗読会を開いてきた。

 「戦後80年の今も、つらい経験を語ることができない被爆者もいる」。沼田さんの証言が時の流れの中で消え去ってしまわぬよう大切に語りつないでいく責任を感じている。 苫小牧市出身。戦前生まれで両親も戦争体験者だったが、若い頃は平和運動に特別強い関心は持っていなかった。転機は50歳を過ぎたある日、(旧ソ連の)チェルノブイリ原発事故を受けて市内で企画された反原発イベントに講師として招かれた沼田さんと出会ったこと。つらい経験を背負いながら、核の問題について穏やかに語る姿に驚いた。深い感銘を受け、一緒に活動するようになると、沼田さんが胸の内に強い危機感を抱いていることを知った。年月がたつにつれ、戦争体験を語れる人が次々とこの世を去り、被爆の歴史が忘れ去られる同じ過ちで原爆が使われるのでは―と。 自分に何ができるのか。迷いもあったが、「原爆の話を語り継いでほしい」という沼田さんの強い願いを受け、1994年9月、有志でヒロシマ・ナガサキを語り継ぐ会の前身「この子たちの夏を見る会」を発足。証言を伝える朗読会を始めた。 以来、形を変えながらも、毎年8月に実施。近年は市内糸井の三星本店ハスカップホールで広島、長崎の被爆体験者の詩を披露している。峠三吉原爆詩集の「仮包帯所にて」や大平数子の「慟哭より」などで原爆の歴史に関心を持つ若い人を増やそう―と、地元高校の演劇部に協力してもらっている。 ◇ ◇ 高校時代、生活を共にした友人も被爆者だった。本人から打ち明けられたのは3年ほど前。在学中も卒業後も被爆体験を語ることは一切なかった。証言を残したいと原爆体験記の執筆を依頼し、一度は承諾してくれたが後日電話で「やっぱり書けない」と言われた。「燃えているのが人か柱が分からない状況の中を逃げた。それをどう表現すればいいの? 書こうとすると、眠れなくなる」。友人の涙声に相づちを打つしかなかった。被爆体験を語る人ばかりに注目が集まるが、今なお思い出すことすらできず苦しむ人もいる。 世界を見渡せば今もなお、戦火がくすぶっている。「戦争と平和は綱引き状態。つたなく、力は弱くても必死に引っ張って戦争に引きずり込まれないようにしなければいけない」。昨年の日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞を平和をたぐり寄せる力に変えるため、語り継ぐ活動を地道に続けていく覚悟だ。 長年の平和活動を振り返る舘崎代表

こんな記事も読まれています

  • 統計開始以来初の注意報飛び越え 今季初インフル警報発令 苫小牧保健所

       苫小牧保健所は4日、管内(東胆振1市4町)に今季初のインフ…

    • 2025年8月27日ニュース, 主要
  • テストニュース

       あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

    • 2025年8月26日
    テストニュース
  • テストフリー広告

       苫小牧民報社創刊75周年記念講演会 入場無料  【講師】アルピニスト 野口 健氏  【演題】富士山から日本を変える  ~山から学んだ環境問題~  日時・会場・申込・問合せブロック  2025年(令和7年)8月9日(土)

    • 2025年7月18日PR
    テストフリー広告
  • テストフリー広告

       <!DOCTYPE html>  <html lang=”ja”>  <head>  <meta charset=”UTF-8″

    • 2025年7月18日PR
  • TEST
    • 2025年7月15日
ニュースカレンダー

紙面ビューアー