白老町は25日、町産のイタヤカエデで作られたドーナツ型玩具「森の輪(わっこ)」を町内の生後4カ月の赤ちゃんに贈る新規事業をスタートさせた。地元の森と子どもの成長を重ねた取り組み。同日は、町総合保健福祉センターで定期的に行っている生後4カ月健診で、大塩英男町長が親子3組に手渡した。
新規事業は、木育と子育て支援を組み合わせた「森の輪プロジェクト推進事業」。歯固めやおもちゃに活用できる外円の直径8センチ、厚さ2センチの輪を贈る。制作は町の依頼で厚真町の業者が手掛ける。2024年度は約40人を対象とし、今後は保健師が生後4カ月健診で手渡していく。
森の輪プロジェクトは2019年、当時帯広大谷大学の助教だった馬場拓也代表(33)が新生児や保護者に地場産木材に親しんでもらうことを目的に事業化した。24年3月に旭川市で一般社団法人森の輪を立ち上げ、取り組みを継続している。4月時点で道内26市町村が実施し、胆振管内では厚真、安平、むかわ3町が先行。白老は4例目となる。
大塩町長は「森の輪には、白老で生まれ育つ子どもたちと一緒に森も成長してほしいという願いを込めた。木に触れることで心豊かに育ってほしい」と親子に手渡した。赤ちゃんは早速、すべすべした触感の「森の輪」を握ったり口に入れたりし、興味津々の様子だった。
贈呈式には、森の輪の馬場代表も出席し「ご家庭で日常的に触れていただき、地元の林業に関心を持つきっかけにもなれば」と期待した。
町大町の会社員國生侑莉さん(30)は、笑顔で森の輪を手にする長男彗太ちゃんを抱きながら「歯固めに使わせていただきます」と感謝していた。