白老町は厳冬期に停電した避難所での寒さ対策などを体験する冬型の避難訓練を25日、町中央公民館で実施した。この時期の訓練は初めてで、町民ら約90人が防災の備えの重要性を確認した。
能登半島地震や阪神大震災が1月に起きていることから、厳冬期の訓練を通して町民の防災意識向上と態勢強化を図るのが目的。安平町や厚真町、苫小牧市にかかる石狩低地東縁断層帯を震源とする震度6の直下型地震が発生し、ライフラインの途絶で避難所を開設する想定で行った。
会場では暖房を止めて、室温6度前後の環境下で訓練を進めた。参加者は簡易トイレの使い方やアルファ米の作り方を学習。その後、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授の防災講話でトイレ(T)とキッチン(K)、ベッド(B)、暖房(W)の備えの重要性を学んだ。根本さんは「炊き出しなどの動きは、普段の町内会のお祭りなどで生きている」と語り掛け、日ごろの地域間の連帯意識が防災に欠かせないことも強調した。
ほかにもアルファ米と豚汁の炊き出し試食や発電機と投光器の使い方、ペットボトルを使ったランタン作り、段ボールベッドの組み立てといった避難所設営に必要な動きを体験した。