白老町の観光関係者らでつくる白老文化観光推進実行委員会(熊谷威二会長)は24日、南米パラグアイの事業組合と共同で取り組むマテ茶とエント茶のブレンドティー開発について、報告会を町総合保健福祉センターで開いた。町民や関係者ら約30人が出席し、同実行委の文化観光推進プロデューサー貮又聖規さん(52)らが進み具合などを語った。
同実行委は、南米パラグアイの政府関係者らが来日した際、町内を訪れて交流したことを機に、南米で愛飲されているマテ茶を通じて現地と交流する「パラグアイ・マテ茶文化交流プロジェクト」を3年ほど前から進めている。
マテ茶とエント茶のブレンドティー開発にも着手し、報告会では実行委と共に商品開発を進める北海道バイオインダストリーの斎藤明彦さんが、マテ茶がパラグアイの住民生活に根差すように、白老でも自生ナギナタコウジュ(アイヌ語でエント)を原料とする「エント茶」がアイヌ民族に親しまれていることを紹介。マテ茶にエント茶をブレンドしたりラベンダーの香りを付けたりした試飲用のお茶を提供し、懸け橋となるブレンド茶の魅力をPRした。
貮又さんは、昨年8月のパラグアイ訪問について報告。動画などをスクリーンに投影しながらマテ茶生産者組合「オニョイル」との交流の様子を伝え、「互いの地域の精神文化を尊重した商品を白老で生み出したい」と力を込めて語った。
このほか、十勝管内更別町にルーツを持つ日系パラグアイ人の大石未来(みき)さんがパラグアイの文化、独立系シンクタンクの北海道総合研究調査会から富樫巧さんが日本とパラグアイとの文化交流について語った。
同実行委では来年度以降、マテ茶とエント茶のブレンドティーの商品化に向けて本格始動する考え。町大町の同実行委事務所と熊谷商店では、ブレンドティーを試飲できる(なくなり次第、終了する)。