安平町は町内事業者を対象に商品開発セミナーを開催し、新しい商品作りを支援している。講師は日本茶の小売りなどを手掛ける静岡市の地域起業会社AOBEAT(アオビート)のファウンダー(創業者)、片桐優さん(47)。町内の事業関係者ら9人が受講しており、12月までアドバイスを受けながら売れる新商品の開発を目指していく。
同セミナーは9~12月に計5回開講。受講者は具体的な事例を基に指導を受け、商品開発や販路拡大につなげる。
初回は9月30日に町ぬくもりセンターで開いた。片桐さんはペットボトルの緑茶を飲む人が多い中、茶葉を使用した新商品を作った自身の経験を紹介。「使ってほしい人と提供したい価値が明確になると、開発の要件や判断が分かりやすくなる」と説明した。
消費者について「商品やサービスのコンセプトからいいことがありそうだと思う物を購入し、良い経験をすると声を届けてくれる場合もある」と指摘。「皆さんが手掛けているのは作っている人の思いが伝わる事業。商品を使った客にコンセプトを分かってもらえるようにすると、ファンが増えていく」と助言した。
町内でワイナリー建設を進めるダイナックス(千歳市)に勤める受講生高橋洋二さん(56)は「販売促進について参考になる部分があった」と話した。
専門家から商品開発のポイントを学び、個々の事業に生かしてもらうセミナーは2022年度にスタートし、今年度で3年目。町商工観光課の担当者は「これまでにチーズの新商品が生まれ、町産小麦を使用したうどんが開発されるなど、成果が表れている」と状況を説明した。