「行ってまいります」―。選挙サンデーの20日午前7時半前、苫小牧市内で集まった関係者らに元気に一声掛け、遊説隊とともに街宣車に乗り込んだ。この日の遊説スタートに選んだのは、苫小牧発祥の地の勇払。8時になると同時にマイクをオンにし、手を振りながら訴えを始めた。
路上の支持者を見つけてはすぐさま降車し、笑顔であいさつしながらしっかりと握手。現職で10年間、浪人時代も含めて15年間をこの地域で暮らし、各地に足を運んで有権者の話を聞き、地元のために活動してきた経験から、地に足の着いた安定感を感じさせる。
首相就任から衆院解散・総選挙まで戦後最短の超短期決戦に、陣営は「自分たちの都合だけを考えて統一教会や裏金問題を隠す『隠蔽(いんぺい)解散』」と批判を強める。山岡候補は「経済産業委員会の取り組みなど、実績を訴える選挙にしたかった」と本音を漏らしつつ、道9区が裏金問題や公職選挙法違反の舞台になったことを問題視。「政治の信頼」を有権者に問い掛け続ける。
4選を目指す前職の山岡候補が、新人候補2人を迎え撃つ、これまでに無かった構図。マスコミ各社の世論調査や情勢分析から、「楽勝ムード」が広がりかねない現状に、陣営は「現時点で態度を明らかにしていない人が一定程度いる」「情勢は流動的」と危機感を強め、関係者に檄を飛ばす文書を送るなど組織の引き締めを図る。
山岡候補は、新型コロナウイルス流行下などの対応が評価され、前回の選挙に続いて苫小牧市医師連盟の推薦を受け、さらに苫小牧料理飲食業組合の推薦も取り付けた。保守層への浸透も図りつつ、裏金事件で自民党に不信感を抱く有権者の受け皿になるべく、無党派層も積極的に取り込む。
主な公約
▽子どもの未来を明るく、子育て支援と教育費負担軽減
▽年金・医療・介護制度の充実。担い手の処遇改善
▽車は生活必需品と位置付け、自動車の税負担の軽減
▽食は国の根幹、食料自給率の向上を農政で実現する
▽ものづくり産業の脱炭素の技術は国で支援、雇用を守る