安平町は温室効果ガスの実質排出量をゼロにするゼロカーボン推進のため、町内の公共施設8カ所に電気自動車(EV)の充電ステーション(普通充電器)を設置した。2024年11月から順次使用が開始され、今年1月末までに計76件、240・8時間の利用があった。一方で利用ゼロのステーションが半数あり、町はさらなる施策の展開により利用を促進する。
町は24年1月にゼロカーボンシティ宣言を行い、町職員や関係事業者、有識者などで構成する町ゼロカーボンシティ推進協議会を設立。今年3月に環境省の重点加速化事業の申請を行うため、準備作業を続けている。
EVの充電ステーションは経済産業省の事業を活用して設置。23年12月にEV普通充電設備の普及に向け連携協定を締結したENECHANGE(エネチェンジ、東京)のシステムを使用している。充電はアプリをダウンロードするか、自動車メーカーなどが発行するカードを機器にかざすと使用でき、料金は1時間当たり330円。災害時は無料で利用できる。
設置場所は、役場総合庁舎と総合支所、追分公民館、スポーツセンター、町民センター、JR追分駅前駐車場、遠浅公民館、安平公民館。災害時の対策本部や避難所、利用が見込める公共施設を選んだ。各施設で24年11~12月に稼働が始まり、町税務住民課は「想定以上に利用がある」と受け止める。ただ施設によって継続的な利用がある一方、4カ所で利用がゼロ件となっている。
町は、子どもへの環境教育や策定作業中の地球温暖化対策実行計画区域施策編などを通し、脱炭素に向けた行動の浸透を図る方針で、同課は「未利用の充電器の利用につなげるほか、ゼロカーボンをさらに進めたい」としている。
充電器やアプリに関する問い合わせはエネチェンジ(有人対応は午前9時~午後6時) 電話050(2030)5701。
安平町役場総合庁舎に設置されたEVの充電器