年を刻んでいくと、体のどこかの痛みや思うように動かないところが出てくる。いかに、うまく付き合っていくのか。そう思いながら生活している人も多いのでないか。それでも誰かの助けを借りなければならないこともある。
そんな時に頼りになるのが介護事業者だが、その事業者の経営は厳しい状況にあるようだ。民間調査機関によると、2024年の介護事業者の倒産件数は172件で過去最多になった。前年に比べ40・0%増と急増した。中でも「訪問介護」が過去最多の81件と最も多く、次いで「デイサービス」56件、有料老人ホームの18件と続く。
いずれも、高齢者にとってはいつ世話になっても不思議ではないなじみ深い事業だ。中でも、訪問介護はホームヘルパーが自宅を訪れて食事や入浴介助、部屋の清掃、食事準備などのサービスを行う。これらが受けられなくなると思うと生活への影響は大きく不安がよぎる。
介護報酬の引き下げや人手不足など幾つかの要因が重なっているようで、地方にとっても深刻だ。事業所経営の支援策を考えていかないと、介護を受けられない地域が広がる懸念さえある。介護を抜きに考えられない高齢化社会。いつかは自分も。健康の大切さをかみしめる。(昭)