16日ごろから20日にかけての日没後、西南西の空で肉眼でも見えるはずだったが、一番良く見えるタイミングを逃した。次に見られるのは8万年後。自分はもういない。
40年前のちょうど同じ季節。部活の練習後、疲れ切ってグラウンドに寝そべり仲間と雑談していたその時、1人が「UFOだ!」と叫んだ。彼が指さす西の空に数秒間、火の玉が流れ、落ちた。理科教師の顧問は驚きもせず「火球だ」とひと言。生まれて初めての天体ショーは不意打ちだった。
見逃したのはアトラス彗星(すいせい)の話。犬の保護施設で10年前に出会った雑種と同じ名で昨夏、この世を去った。星のような金色の瞳を思い出し、同じ名の彗星をこの目に焼き付けたかった。
まれな才能を持つスターが突如現れた時に「彗星のごとく」と表現する。メジャーの二刀流が見事な活躍を見せる一方、政治は失態が尾を引いているように見える。行方がどうあれ、投票には行くつもりだ。(藤)