神戸市の多世代型介護付きシェアハウス「はっぴーの家ろっけん」を舞台とした映画「30(さんまる)」の上映会がこのほど、苫小牧市東開文化交流サロンで開かれた。市民有志が主催し、子どもから大人まで約100人が来場。映画を通じ、多様な人々が心を通わせながら暮らす地域の在り方を考えた。
同シェアハウスで暮らす高齢者、運営に携わる30代の若者、事情を抱えて働くスタッフなどに焦点を当てたドキュメンタリー。来場者は笑ったり泣いたりしながら、人々が織り成す人間ドラマに見入っていた。
上映後は鈴木七沖監督のトークライブが開かれた。鈴木監督は同作を「映画を通して人と人の交流を生み出すコミュニティームービー」と紹介。少子高齢化や都市部への人口集中で過疎化が地域で深刻化していることを指摘し、「人と人のつながりがますます大切になっている」と強調。「さまざまな立場の人が、互いに存在を認め合う社会を目指すべき」と力を込めた。
主催者メンバーの千葉美智子さんは「以前、市外でこの作品を見て、苫小牧でも絶対に上映したいと思っていた。自分も作品を今後のコミュニティーづくりに生かしていきたい」と語った。