第77回秋季北海道高校野球大会は5日目の20日、札幌市の大和ハウスプレミストドームで準々決勝が行われ、駒大苫小牧は8―1の七回コールドで札幌南を下してベスト4入りした。休養2日間を挟んだ23日の準決勝で北海と激突する。この他、東海大札幌が3―1クラーク国際をかわし、札幌日大は9―4北星大付を退けて、準決勝もう一つのカードは東海大札幌―札幌日大となった。
駒大苫小牧は4日目の19日に旭川志峯との2回戦に臨んで先行を追い掛けて九回に逆転成功の3―2で下し、ベスト8に進出していた。
▽準々決勝
札幌南
0000001-1
001250X-8
駒大苫小牧
(七回コールド)
(札)本間、尾形―齋藤、本間
(駒)許、小畑―渡邊羚
🉁川口、勝(駒)
🉂畠山、本間(札)川口、林(駒)
駒大苫が快勝した。三回1死二、三塁で渡辺瑛がスクイズし先制。三回先頭の林の右前打に続き、川口が左中間へ適時二塁打。五回は主砲林からの長短連打で5点。先発の許が好投した。
札南の反撃は七回先頭二塁打の本間を連続内野ゴロでかえした1点のみ。
東海大札幌3―1クラーク国際、札幌日大9―4北星大付、北海1―0釧路江南
19日
▽2回戦
駒大苫小牧
000010002―3
100010000―2
旭川志峯
(駒)寺田―渡邊羚
(旭)大渕―松本
🉂合田(旭)
先行を追い続けた駒大苫が土壇場に逆転。1点を追った九回に先頭の林が右前打し、川口野選の後、浅野が投前犠打。代打の太田が左中間へ打ち抜いて勝ち越した。
旭志峯は一回から先行も駒大苫の寺田に10三振を奪われ、加点できなかった。
-札南打線抑え、攻勢生む
駒大苫の2年生投手で先発した許が好投した。6回3分の2を投げて被安打3、三振7、四死球2、失点1で試合をつくり、初のドーム登板に「めちゃめちゃ気持ち良かったです」と朗らかに語った。左右へ曲がる変化球を持ち合わせ、低めへの制球がかみ合えば、相手にとって攻略し難い持ち味が生きた。
台湾からの留学生で、台湾でも五指に入る強豪中学から同校の門をたたいた。遠路はるばる家族も応援に駆け付けている。「ずっと応援してくれている。感謝の気持ちを伝えたい」。チーム躍進のカギともなる2回戦での投球にはそうした思いも込められた様子だ。
佐々木監督は許について「あまり緊張しないタイプ。落ち着いて投げてくれたのが良かった」と起用に満足そう。投手が安定した一方、序盤の接戦から好機につながり、リードを広げた打線の手応えを挙げ、「(各打者の)肩の力が抜けた感じになった」。明らかにチームが勢いづいた。「連戦でここまでこれて、選手を褒めてあげたい」とし、3日後に迎える北海との準決勝へ向けて「休養でバランスをとって、しっかり戦いたい」と語った。
- 苫小牧出身 熊野(旭川志峯)しぶとく安打
4日目の19日、駒大苫戦で旭志峯の9番打者熊野が躍動した。苫小牧沼ノ端中出身。1点先行から五回に同点とされ、その裏、2死の場面でフルカウントから三塁強襲の内野安打を放った。続く合田の二塁打で一気に本塁生還した。再度1点先行の足場とした好打について「運が良かっただけ」と試合後語って敗退の悔しさをかみしめていた様子だったが、同じ中学出身で親友で東海大札ナインの矢吹に「次の試合も勝ってほしい」とエールを送った。3年生になって迎える来季、「スタルヒン球場でホームランを打ってチームを甲子園に連れて行く」と闘志をかき立てていた。