北海道栄高校(白老町緑丘)を運営する学校法人京都育英館(京都市)が同校を苫小牧市の北洋大学に移転する方針を示した問題で、白老町の大塩英男町長ら4人は17日、同法人を訪れ、移転しないよう求める要望書を松尾英孝理事長に提出した。松尾理事長は町の立場に一定の理解を示しながらも、校舎の老朽化と生徒減少など移転の必要性を繰り返し、見直しには言及しなかった。
大塩町長と町議会の小西秀延議長、白老商工会の清水尚昭会長、白老観光協会の福田茂穂会長が訪問し、松尾理事長に直接手渡した。要望書にはこのほか町教育委員会、町青年会議所、町内会連合会、町社会福祉協議会など12団体の代表が名を連ねた。
要望書は「北海道栄高校は、まちづくりに欠かせない重要な位置付けであり、地域コミュニティーの維持発展においても極めて重要な存在となっている」とした上で、「今後も本町における若者の学びやとして、地域と共に歩み続け、次世代にわたり持続可能な地域社会を築いていくことを強く要望する」と移転の中止を求めている。
また、「移転方針に関する報道に対し、関係団体や多くの町民から深い懸念の声が上がっている」と現状を説明し、同校が移転した場合は「地域の若年人口の減少がさらに加速し、経済的、文化的損失にとどまらず、将来的な町の存続にも関わる問題となる可能性もある」と訴えている。