厚真町は16日夜、厚南会館で「(仮称)苫東厚真風力発電事業に関する住民意見交換会」を初めて開いた。町民34人が出席し、Daigasガスアンドパワーソリューション(大阪市)が浜厚真地区などに計画する風力発電事業に対し、健康被害や自然環境に関する数々の疑問や懸念を投げ掛けた。
養鶏業を営む男性は「鶏にとって、風車の騒音や低周波はストレスになる。風力発電事業そのものに反対ではないが、人が暮らし、営農する場所の近くに建てるのはやめてほしい」と訴えた。
上厚真に住む女性は「エネルギーを確保するには、風力発電以外の選択肢もある。自然環境の保全を重視して考えてほしい」と述べた。同じく上厚真の無職、永井雅彦さん(66)は「健康被害や家畜への影響など、科学的知見が出るまで建設は待つべきではないか」と疑問を呈した。
意見交換会は、環境影響評価準備書に対する意見書を作成して道知事に提出する上で参考とするために開催した。宮坂尚市朗町長は「皆さんを守る立場でこの場で聴いた意見をまとめ、しっかりと知事に届けたい」と述べた。