むかわ町で、風物詩のシシャモのすだれ干しが始まった。町内のシシャモ漁は資源保護のため2年連続で休漁となったが、水産物販売店では町外から仕入れたシシャモを自社加工し、販売している。ずらりと並んだシシャモに足を止め、購入する観光客の姿も見られる。
町美幸のカネダイ大野商店は9日から、すだれ干しを始めた。えりも町の庶野漁港から仕入れたシシャモを10匹ずつ串に刺し、きれいに並べて干している。同店では天日を避け、風によって水分を飛ばすことでうま味を凝縮させるという。
大野秀貴代表(50)は「休漁の影響は大きいが、年に一度の楽しみにされる方も多い。すだれ干しは11月まで行うので、ぜひ『鵡川ししゃも』と同じおいしさを味わってほしい」と話す。
神奈川県横須賀市から同店を訪れた主婦、原口道子さん(79)はむかわ町出身。「毎年この時期に来ている。おいしいシシャモを食べることができた」と笑顔を見せた。