白老町初のクラフトビール醸造所「ジ・オールドグレイ・ブリュワリー」は11日、完成したビール2種類(酒税法上は発泡酒)のお披露目会を町大町の同所敷地内で開いた。商工関係者ら約40人が参加し、祝杯を挙げた。
醸造所は、元町地域おこし協力隊隊員の菊地辰徳さん(48)と友人で不動産などを扱う不二ハウス工業社長の栗原雄平さん(46)=東京都在住=が共同代表。十勝麦酒醸造(帯広市)の元工場長で20年以上のキャリアを持つの十河文英さん(52)=十勝管内音更町在住=を醸造責任者に迎えた。
お披露目したのは、苦みが少なく口当たりの良い黒ビールと、バナナのような香りが特徴の金色のビール。アイヌ民族が愛飲してきたエント茶の原料ナギナタコウジュを加えている。
菊地さんは「皆さまと最初の一杯を共有でき、うれしい。白老の新たな魅力とするため精進したい」とあいさつ。清水尚昭商工会会長が祝杯の音頭を取り、「ここから生まれる一杯が友人や家族との会話を弾ませ、思い出を飾る。地域経済の発展にも寄与し、新たな雇用の機会も生むことを心からうれしく思う」と述べた。
向かいでカメラ店を経営する白老商業振興会の村上英明理事長は「2種類ともすっきりして飲みやすい。これから新しい味も出ると聞いたので楽しみだ」と話した。
ビールは飲食店向けに販売し、15日から購入の受け付けを始める。町民向けには、早ければ11月から月1回ペースでイベントを開いていくという。
菊地さんらは2020年に土地を取得。22年11月までにBET社(東京)製の発酵・貯酒タンクや醸造システムを導入し、醸造所を完成させた。醸造免許は今年6月に取得し、7月から5種類の醸造と熟成を進めている。