支笏湖のホタル ~確認の記録~

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2024年10月11日
胸部の赤い背に十字の黒い模様を持つゲンジボタル

 写真のホタルは8月3日午後8時に、支笏湖から流れ出す千歳川に架かる「湖畔橋」の上で撮影したものです。ゲンジボタル(以下、ゲンジ)です。この日は、夏の夜の虫を観察するイベントの日で、網で捕らえた虫を観察したほか、餌や光に集まる習性を利用したトラップに集まるいろいろな虫を観察しました。ホタルの観察はイベントの最後に行ったものでした。湖畔橋から上流側に10個ほどの点滅する光を観察しました。その中の1匹が偶然橋の上まで飛んできたものを捕らえて記録したのがこの写真です。

 実は、北海道にはもともとはヘイケボタル(以下、ヘイケ)しかいませんでした。一方、本州ではヘイケとゲンジの両方が生息しています。ホタルは飛翔力が弱いため、支笏湖のゲンジは何らかの方法で本州から持ち込まれた「国内外来種」ということになります。

 これら2種の好む生息環境ですが、ヘイケは湿原やゆっくりとした流れを好み、ゲンジは清流を好みます。どちらも幼虫時代は水中で過ごし、夏に成虫になります。オスが飛翔しながら点滅し、メスが地上で点滅してこれに応えて交尾に至ります。光の強さはゲンジが強く、点滅のパターンは雌雄、地域により異なります。

 そもそも支笏湖周辺にヘイケがいたのかという疑問があり、支笏湖で生まれ育った80代の方に伺いました。「幼少期に湖畔橋近くにあった家の横にある池にホタルがいた」という証言を得ました。つまり、ヘイケが支笏湖にいたことになります。ただし、その後ヘイケが支笏湖周辺で生息し続けていたのかを示す証言は得られていません。

 サケのふるさと千歳水族館の菊池基弘館長に話を伺ったところ、千歳川中流域でもゲンジが今年の夏に「大発生」していた、との証言も得ました。ヘイケや生態系への悪影響が心配されます。

 支笏湖や千歳川流域のホタルの生息環境にいったい何が起きているのか、まずは実情をきちんと把握することが必要だと感じています。また、これ以上国内外来種であるゲンジを他の地域に拡散させない努力も必要だと感じています。

 (支笏湖ビジターセンター自然解説員 榊原茂樹)

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