白老町の北海道栄高校が苫小牧市の北洋大学に移転する方針が示されたことについて、町内から子どもを通わせている保護者に不安や不満が広がっている。9月17日に同高校で保護者説明会が行われてから3週間以上たつが、本紙の取材で、同説明会に出席できなかった保護者には、文書や口頭で報告や説明がいまだにないことが分かった。保護者から学校側へ、早期に現状と展望を示すよう求める声が上がっている。
同説明会の開催については、9月3日午後3時ごろに学校側から「北海道栄高等学校の将来発展計画の構想説明会の出欠について」と題する通知が携帯端末などで保護者に届いた。仕事の都合で欠席した2年生の母親(40代)は「(題を見て)まさか移転の説明会だとは思わなかった」と話す。移転方針はその後の報道などで知り、母親の子どもは移転方針について「夏休み明けに校長が語っただけ。それから話はないので、移転について友達や先生と話し合うこともない。みんな(移転する可能性を)忘れているのでは」と語る。
同じく欠席した1年生の父親(40代)は「取り組みを説明する書面や機会、意見を聞いてくれる場がないのは不安」とし、子どもは「JR白老駅から校舎まで行くバスは、変わりなく出るのか」と表情を曇らせる。
別の2年生の父親(40代)は、現校舎について「雨漏りするなどの不満を聞いており、子どもは移転に前向きのようだ」と述べる一方、「移転後の教育環境のビジョンが示されておらず、通学距離が延びることでの保護者負担(電車賃など)についてもいまだに説明がない」と憤る。
保護者は「(移転の)説明を受けていない」と口をそろえ、「やり方が強引だ」「なぜ来秋なのか。説明はいつするのか」と不満を口にし、中でも2年生の親たちは「来年9月に移転すると、うちの子は受験生なので、影響を受けないか心配」と語っている。