むかわ町は、行政や企業、団体、町民で町の魅力を高め、住み続ける価値のある町を目指す「町タウンプロモーション戦略」を初めて策定した。同戦略の推進期間は第2次町まちづくり計画(2021―30年度)に合わせ、30年度まで。人口減少や高齢化が進む中、町の魅力を広く発信し、住みたくなり、楽しめる町を目指す。
同戦略のコンセプトは「住んで、育てて、楽しめる」。「住んで」「育てて」のメインターゲットは20~40代の子育て世帯や農業に興味のある人など、「楽しめる」では全世代で恐竜好きや雄大な自然を満喫したい人などとした。対象地域は苫小牧市や札幌市を含め広く道内外とし、町の魅力を伝えるプロモーション活動を展開する。
具体的な取り組みは、キャッチコピーやロゴマークの作成、SNSなど情報ツールを活用した情報発信、プロモーションの継続、町民や地域事業者による自発的なプロモーションの推進。町の知名度やブランドを向上させ、町民が誇れるまち、さらに来訪者や関係人口が増え、移住や定住先として選ばれるまちを目指す。
30年度までの成果目標として「新規就農者数」や「拠点施設への来訪者数」など5項目を、重要業績評価指数として「公式ホームページ閲覧数」「ふるさと納税件数」など3項目を定め、目標値を設定した。このうち新規就農者数は、22年度実績の6人を30年度には12人に、拠点施設来訪者数は22年度実績の23万8295人を30年度に33万3000人としている。
同戦略の策定に向けて、23年12月に札幌市内でアンケート(549人回答)を実施したところ、道民は「鵡川ししゃも」などの町の名物を知っていたが、道外在住者の82%が町自体を知らないと答え、知名度不足が浮き彫りとなった。また、同年11~12月に町内の子育て世代に実施したアンケート(116人回答)では、都市部へのアクセスや子育て環境などは評価されたが、飲食店が少ないと感じている人がいるなど課題が確認された。
町商工観光戦略グループの担当職員は「まずむかわ町を知り、興味を持ってもらうことが大切。町に来て交流人口を増やし、町のファンを作りたい」と話している。