豆本教室 高橋(たかはし) 承子(しょうこ)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年10月3日

  毎月、一度、豆本作り教室を開いている。受講生が増えてきているので午前、午後と2部に分けている。講師は男性で、とても80歳すぎとは思えないほど若く、ロマンスグレーの髪は、著名な政治家のヘアスタイルに似ている。言葉遣いや振る舞いは上品な方である。

   生徒も男女問わず上品と言いたいところだが、それなりの品格である。作業中は真剣だが、「失敗したぁ」「間違えたぁ」などにぎやかである。最初の頃は皆さん会話がなかったが、3カ月過ぎたあたりから一言、二言と話をされ、豆本仲間意識ができてきたような気がする。年齢は80すぎの方、70代、60代といろいろで、それぞれに人生ドラマを持って生きてきたのだろうと思う。目が悪くなったと言いながらも、しっかりと豆本作りに向かっている。

   この中に、70歳の女性がいる。白い洋服がお似合いの、とてもチャーミングな方である。とてもきちょうめんで、完成させることが難しい縦2センチ、横1・5センチ 幅1センチという最も小さなサイズの本を、生まれながらの器用さと指使いで作っている。縦11センチ、横8センチの本にはご自身の創作文を書いている。紅地に白と黄の花模様の表紙に「むかし、むかし」という題を入れ、自身の「不思議な一面」の表れた面白い話を、さすがというくらいの達筆でつづっている。

   このように地域の中に楽しめる場を見つけて集う人たちはたくさんいて、そういう場の大切さを日々感じている。

  (みらいづくりハマ遊の友代表・苫小牧)

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