白老町の大塩英男町長がまちづくりについて生徒に解説する特別授業が2日、白老と白翔両中学校で行われた。社会科公民分野「地方自治と私たち」の授業に、まちづくりへの提案を中高生から募る町の事業への事前策を重ねた。両校の3年生計83人が、町のトップを先生に郷土の現状と課題を学び、これからのまちの在り方を考えた。
大塩町長は公約に「将来を担う中高生がまちづくりを学び、町に施策提言し、実現する取り組み」を掲げており、町は11月にも中高生を対象に「まちづくりアイデアコンクール」を実施する。これを踏まえ授業では、テーマを「みんなで考える白老町の未来」とし、同町の重要課題「人口減少」、対策を講じる「地方自治」、未来を創る「まちの魅力」を柱に話を進めた。大塩町長が中学生を前にして教壇に立つのは初めて。
白老中では、同町の人口は1984年の2万4560人をピークに減り続け、40年後の今年9月末には約9369人減の1万5191人になったことなどを説明した。地方自治については「地域の人が自らの判断と責任で地域の政治や行政を担う仕組み」と伝え、「皆さんもまちづくりの主役」と強調。「(まちの未来を)地域みんなで考え、皆さんの夢を実現していきたい」と訴えた。まちづくりアイデアコンクールにも触れ、参加を呼び掛けた。
本間亘さん(15)が「町長の理想は」と質問すると、大塩町長は「人口減少を食い止め、増やすこと。そのために若い人たちが移住しやすく、子育てしやすくするための土壌づくりを進めている」と思いを伝えた。「まちのために自分たちは何ができますか」という城戸夢香さん(15)の問いには「まちを変えるような提案を皆さんにしてほしい」と期待を込めて語っていた。