白老町の前地域おこし協力隊員=観光振興担当=で町大町に定住する安田裕太郎さん(28)は、インターネット上の音声配信サービス「ポッドキャスト」で、白老町のさまざまな魅力を伝える番組「KANNNOME(観の目)」を配信している。宮本武蔵が兵法書「五輪書」で心の目で見る「観の目」の大切さを説いたことにちなむ。3月から毎週火曜日に配信し、現在25本を公開済み。
ポッドキャストは、スマートフォンなどの端末で好きな時間に好きな番組を選んで聞くことができる。「KANNNOME」は1本当たり17~35分で、2~5本で一つのテーマを語り尽くす。これまでに取り上げたテーマは、縄文土器や道路標識、釣りなど多岐にわたる。
安田さんは熊本市出身。2021年5月に町地域おこし協力隊員となり、植物標本作りや山野草の写真集制作、野草民泊「観森(みもり)」の運営などを手掛けてきた。今年6月には、東京で開かれた移住相談会(しらおい移住・滞在交流促進協議会主催)で、町出身者や滞在経験者らとの公開収録にも挑戦した。
安田さんの番組は全国ランキングの上位に入ることもあり、会場には安田さんのファンも集まった。今夏、白老町への移住を決めた人もいるという。好きなことをしながら耳だけで楽しめるポッドキャストについて、安田さんは「長時間聴取が可能で、楽しく聞いてもらえる」と手応えを感じている。
今後取り上げるテーマの候補は町内に暮らすアーティストや写真家、彫刻家ら。「どういう目線で世界を観(み)ているのか―を切り口に取材を進めたい」と意気込んでいる。