夏休みに入り、支笏湖ビジターセンターを訪れる方は、親子連れが多くなりました。とてもにぎやかな雰囲気になっています。
この時期、毎年ビジターセンターが行っているのはお子さまでも楽しめる「真っ暗支笏湖!夜の園地で生き物さがし」の開催です。今年は3日午後6時半~同8時に催しました。
まず、虫についての簡単なレクチャーの後、虫網と虫籠を持ち、ヘッドランプを付けてビジターセンターを出発。支笏湖園地を歩き回り、見つけた生き物を観察。続いて事前に仕掛けたピットホールトラップ(地上の落とし穴)の中に落ちた生き物の観察。その後はライトトラップという真っ白なシーツとライトを用いて作った仕掛けに集まってきたものたちの観察です。
見つかったのは、コガネムシ、ナメクジ、オニグモ、マイマイ、ゾウムシ、ハムシ、オサムシ、シデムシ、バッタ、キリギリス、カマドウマ、コオロギ、アワフキムシ、カゲロウ、ガの仲間など多数でした。それぞれが生き生きと活動しているのを見ました。
この行事の最後には貴重な体験をしました。千歳川に架かる湖畔橋から上流・支笏湖の方面を眺めました。ヘッドランプを消し、真っ暗にしました。暗さに目が慣れてきたら、川岸に小さな光の点々が見えてきて、その光が川岸や川面を動いていました。どんどん数が増えていって、それは「ホタル」の光でした。
その中の一つの光が湖畔橋に近づいてきました。ホタルが私たちに向かって飛んできたのです。スタッフの一人が素早く網でとらえました。スタッフの手の上でそのホタルは光り、その不思議さや光のきれいさに全員が心を奪われていました。
ビジターセンターの役割の一つは展示物での自然の紹介以外に、行事を通して支笏湖の自然の中に皆さんを誘い、身近な生き物の命の不思議さや、いとおしさを感じてもらうことだと思っています。それが自然保護につながると思っています。
今後もスタッフ一同、魅力ある支笏湖の自然を、深く・分かりやすく紹介するために行事の内容により工夫を凝らすなど、精進してまいります。
(支笏湖ビジターセンター自然解説員 吉田香織)