胆振太平洋海域漁業振興協議会(会長・大塩英男白老町長)は7日、2024年度通常総会を登別市のいぶり中央漁協本所で開いた。27人が出席し、マツカワ放流事業など今年度の事業計画を決めた。役員改選では大塩会長らの留任を承認した。
同協議会は、むかわ町から室蘭市にかけた胆振太平洋海域の漁協や自治体で構成。王鰈(おうちょう)のブランドで知られる高級魚マツカワの稚魚を海域に放流し、資源を増やす栽培漁業や消費拡大事業を進めている。
24年度は、海域で水揚げしたマツカワのPRイベント、販路の開拓や拡大、えりも以西栽培漁業振興推進協議会との連携―などの事業を実施する。稚魚放流では7日に苫小牧漁港区で体長50ミリを10万匹放流。20~22日にも鵡川や白老、登別各漁港で同80ミリを計18万匹放流するという。
また、マツカワの種苗生産で海水供給を担ってきた伊達火力発電所が今年3月に休止したことに伴い、伊達市内の北海道栽培漁業振興公社敷地内に新たに取水施設を新設。早ければ25年度に実施設計を行い、26年度にも本工事に入ることを確認した。
25年度以降の3カ年は同施設での種苗生産を休止し、代わりに同公社瀬棚事業所(桧山管内せたな町)で行う。種苗生産匹数は減少の見通し。親魚育成と成熟・採卵は道立栽培水産試験場(室蘭市)で、中間育成は同公社えりも事業所(えりも町)でそれぞれ実施する。
対面式での総会は5年ぶりで、大塩会長は「気候変動による海洋環境の変化により、マツカワの不漁など水産業を取り巻く状況は厳しい局面を迎えている。引き続き理解と協力を」と連携を呼び掛けた。