白老港の魅力向上に取り組む町地域おこし協力隊員の山岸奈津子さん(43)は8~12日、同港第三商港区でイベント「しらおいビーチ&海の家」を開く。港の誘客や活用を考える白老港魅力化プロジェクト「シン・白老港」の一環。白老港港湾管理事務所によると、町内の海岸に「海の家」を設置するのは初めて。山岸さんは「港や海岸は、町の資源として大きな可能性を秘める。町の新たな遊び場として提案し、活性化につながれば」と目を輝かせる。
イベントの海の会場は、防波堤で区切られている港内の波打ち際に限定。ボードの上に立ってパドルを漕いで進むアクティビティ「SUP」(11、12両日のみ)の体験などを行う。
胆振海岸一帯は、離岸流などが発生する危険な場所として、道や町の条例で遊泳、潜水禁止となっている。このため、参加者にはライフジャケットの着用を徹底するほか、いぶり中央漁協白老支所をはじめ地元の漁師に協力を依頼し、有事の際の救助体制を整えた。安全管理を万全にすることで、町民らに安心して海を身近に感じてもらう。
浜の会場は約5000平方メートル。海の家には7・2メートル×2・5メートル×2・5メートルのプレハブ型仮設コンテナを用意し、備品を収納する拠点として使用する。周辺にテント、いす、テーブルを設置し、”白老の海”をリラックスして楽しめるようにする。水鉄砲、ビーチバドミントンセット、巨大ボールなどの遊具を貸し出し(100円~)、軽食や飲み物を提供するキッチンカー、移動書店も並ぶ。
山岸さんは、町や漁協、道開発局などの協力に感謝しつつ「安全第一に取り組み、海を資源としてどう活用できるか考えたい」と意気込む。会場周辺に看板やのぼりを用意してPRする考えで、JR萩野駅の徒歩圏内で開催することから、車を持たない学生にも広く利用を呼び掛けている。
出店やSUP体験の詳細は、公式インスタグラム(@shiraoiproject)で確認できる。