危険な暑さ

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  • 2024年8月3日
危険な暑さ

  「暑いわ~」。転勤で引っ越しし、首都圏に住む身内から、疲れ切った口調の電話がかかって来る。しかし、回数は減り気味。日中は体温以上の危険な暑さが続いているという。「苫小牧も30度以上になったぞ」などととても言えない。

   東北や北陸にもようやく梅雨開け。北陸は能登半島地震が発生から満7カ月が過ぎたものの復旧は遅々として進まず、仮設住宅はいよいよ狭くて蒸し暑いようだ。東北は大雨にも見舞われ、田も畑も住宅も濁流にのまれた地区が多い。テレビに映る茶色の泥水に覆われた田畑や住宅のむごたらしい画像に言葉がない。

   「マスコミは異常気象という言葉を使い過ぎです」。30年以上も前、当時の千歳空港ビル2階にあった空港測候所の所長氏に気象用語の使い方の問題を指摘されたことがある。「温度なら平年値より2度以上上下した時に使う言葉」と。

   気象庁は都市化の影響が比較的小さい全国の15地点を分析した結果として、今年7月の月平均気温が1898年の統計開始以降で最も高かった―と1日、発表した。過去最高だった昨年を0・25度上回り、過去30年の平均値より2・16度も高かった。「異常」気象なのだ。8月も全国的に平年より暑く「特に前半は熱中症に注意を」と呼び掛けている。(水)

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