時空を超えて とまこまいの文化財(11) 【道指定天然記念物】樽前山溶岩円頂丘 私たちだけが知る姿

  • 特集, 苫小牧市美術博物館
  • 2024年8月3日
川沿こ線橋から望む早春の樽前山(苫小牧市美術博物館・江崎逸郎学芸員撮影)
川沿こ線橋から望む早春の樽前山(苫小牧市美術博物館・江崎逸郎学芸員撮影)

 樽前山は標高1041メートル。市街地の北西約20キロにあって、現在も活動を続ける活火山だ。1739年を最後に、これまでに4回の大噴火がある。周辺の地層からどれほどの規模の噴火だったか、噴出した軽石や火山灰などから知ることができる。その後噴火は規模を縮小しながら、19世紀以降でも70回以上記録されている。

 樽前山の最大の特徴と言えば、山頂の溶岩円頂丘いわゆる溶岩ドームだ。大きさは最大直径約450メートル、高さ約120メートル。1909年粘り気の大きい溶岩が、ドーム状に盛り上がってできたもの。火山の歴史の中で、115年間は一瞬の出来事だ。「今見ている景色は、現代の私たちだけが知る貴重な姿と言えます」と、苫小牧市美術博物館学芸員の江崎逸郎さんは語る。

 活火山ゆえの景色と眺望

 市のシンボルとして親しまれている樽前山は学術的にも貴重な天然記念物であることから、1967年北海道指定の文化財となった。

 冬の終わり、雪解けが進んだ頃、市街地から見上げる樽前山には山肌にしま模様が表れる。これは火山の噴出物が積もって間もない樽前山は、地盤が弱く崩壊や侵食によって谷間が多くでき積雪が模様を作るからだ。活火山ゆえの景色と言える。

 良く晴れた日、山頂からの眺めは格別だ。石狩平野へと続く平坦な地形や太平洋へと広がる緩やかな裾野。遮るものがなく札幌の街や日高山脈、空気の澄んだ日には、はるか遠くの青森まで眺められることも。小高い丘に建つ北広島のエスコンフィールドもロックオン!

 まれな山の姿と、開けた大地に位置することでかなう眺望が、樽前山の魅力だ。活火山の備えを忘れず、地元の山を楽しみたいものだ。

 【メモ】

 1967年3月17日指定

 所在地…苫小牧市樽前国有林

 管理者…苫小牧市教育委員会

 (通信員 山田みえこ)

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