ライスワークではなくライフワーク(3) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年7月20日
ライスワークではなくライフワーク(3) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

  前回は市場の「まだ知られていない商品」についてお話をしました。今回は時期でもありますので、うまいものについて、もう少しお話しします。

   6月1日から「積丹沖のウニ漁」が解禁になっています。お盆頃までしか漁が続かない貴重なものですが、なぜ夏の積丹のウニがおいしいのかご存じですか。私が長年調べて実際に食してもみたところ、理由は三つあります。一つ目は、漁場が良好な昆布の生息している地区であること。ウニは昆布を食して育つので、良質な昆布の成分がウニの持つ独特の海の香りとなっています。二つ目は、漁場が岩場であること。砂地で生息するウニは、身に砂や海底にあるいろいろなものを吸収してしまうので、味が落ちてしまいます。三つめは、生息する海がきれいであること。これがおいしいウニの三大要件です。

   積丹ブルーといわれる澄んできれいな海の中で、岩場の隙間から生えてきている生命力の強い昆布を主食として育っている。積丹は良いウニが育つ要件をすべて整えているのです。

   また、折ウニはあまりお勧めしません。形を崩さないようにミョウバンを使用しているため、苦みが残って味に影響しているからです。召し上がるならやはり「塩水ウニ」がよいでしょう。

   現地と同様の味わいを楽しめるのですから、今の流通技術はまったく大したものです。「積丹のバフンウニ」、もうこれは神様の食べ物といっても過言ではないでしょう。ぜひ時期のものを召し上がるべきです。(続く)

  (海の駅ぷらっとみなと市場事務局長・苫小牧)

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