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  • 2024年7月16日
勘

  幸運を呼ぶ四つ葉のクローバー。その発生確率は三つ葉のクローバー1万本に対し1本とされるが、どういうわけか簡単に見つけられる人がいる。妻もその一人で、それがある場所に違和感のようなものを感じるという。犬の散歩で公園に入ると、数分で3本摘み取ってきた。一種の勘のようなものが働くのだろう。自分も1度ぐらいは―とネットでヒントを探ると、三つ葉のクローバーが人通りの多い場所で何度も踏まれると茎の先端など成長の速い部分が傷付けられ四つ葉になるとの記述があった。参考にしたい。

   「政治家に重要なのは勘」と吉田茂元首相が頭角を現す前の田中角栄氏に目を付け、政務次官に起用したというエピソードがある。田中氏は政情分析力と直感を武器に首相の座まで上り詰めた。安倍晋三元首相も自らの勘の良さを政府主催の国際シンポジウムの関連行事で自画自賛したという。岸田文雄首相はどうか。勘は特別良くなくてもいいが、悪いと致命的だ。鈍ると情勢判断を見誤る。

   自民党道9区支部は10日、次期衆院選不出馬を表明した堀井学衆院議員(比例道ブロック)の後任支部長候補の公募を始めた。党派閥の政治資金規正法違反事件などの逆風が続くいばらの道で、政治勘のある人材を見つけられるか。(輝)

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