【ミルウォーキー（米ウィスコンシン州）時事】米共和党全国大会が中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで15日開幕し、全米各州・地域の代議員の投票によりトランプ前大統領（78）を11月の大統領選の党候補に正式指名した。これに先立ち、トランプ氏は副大統領候補にバンス上院議員（39）の起用を発表した。共和党は4年ぶりの政権奪還に向け、両氏の下で結束強化を図る。

　トランプ氏は13日に東部ペンシルベニア州で演説中に狙撃され負傷したが、予定通り大会に出席。同氏は最終日の18日に指名受諾演説を行い、暴力に屈しない姿勢を示す。保守系メディアに対し「（事件で）米国を団結させる機会が与えられた」と語り、バイデン政権への対抗を意識して準備した演説を大幅に書き換えたとしている。

　副大統領候補に指名されたバンス氏は、2022年の中間選挙で中西部オハイオ州から出馬し、前大統領の支援を受けて初当選した「トランプ・チルドレン」の代表格。

　起用についてトランプ氏は、海兵隊勤務やビジネス界での経験、白人貧困家庭の悲哀を描いた著書「ヒルビリー・エレジー」がベストセラーとなった経歴を挙げ、「副大統領の地位に最もふさわしい」と説明。バンス氏に中西部の「労働者と農家」に重点を置く選挙戦を任せる考えも示した。

　バンス氏はトランプ氏の要請を受け、「あなたの在任中の米国は最高だった。副大統領として、米国を再び偉大にするため忠実に仕える」と答えたと支持者宛てのメールで明らかにした。17日に指名受諾演説を行う方向だ。

　この日は不法移民の大規模送還などトランプ氏の主張を色濃く反映した党綱領も採択された。

　大会ではトランプ氏と指名レースを最後まで争ったヘイリー元国連大使や、トランプ氏一族、上下両院議員、各州知事らが順次演説する。ヘイリー氏は当初招待されていなかったが、党の団結を演出するため一転して参加することになった。