「勝訴」「旧優生保護法は違憲」。最高裁の正門前では午後4時ごろ、強制不妊訴訟の原告や弁護士が笑顔で紙を掲げた。長い法廷闘争の末に勝ち取った判決に、原告らは「夢のよう」「本当に長かった」と笑顔と安堵(あんど)の表情を見せた。
歳の時に不妊手術を強いられた原告の北三郎さん(仮名、81)は詰めかけた支援者らとがっちり握手。「夢のよう。最高」「皆さんのおかげです」と満面の笑みを浮かべた。記者会見では「こんなにうれしいことはない」と声を弾ませた。
「6年間は長かった。本当に長かった」。札幌市の原告、小島喜久夫さん(83)は提訴からの日々を涙で振り返った。「私の体にメスを入れたのだから、国は謝罪してほしい」と訴えた。
逆転勝訴となった宮城県の原告佐藤由美さん(仮名、60代)を支えてきた義姉佐藤路子さん(同)は「弁護団の主張を全部認めてくれた判決だ」とほっとした様子。同県の飯塚淳子さん(仮名、70代)は「苦しみながらここまで来た。きょうは最高の日です」と喜び、「国は謝罪と補償を」と強く求めた。
脳性まひを抱える兵庫県の原告鈴木由美さん(68)は「この判決を第一歩に、私たちも当たり前に暮らせるような社会に向け歩んでいきたい」と話した。同県の小林宝二さん(92)も「歴史的な判断だ」と評価した。
大阪市内からは原告の野村太朗さん(仮名、80代)がオンラインで参加。裁判を「緊張やストレスでつらかったが、きょうまでやりきった」と振り返り、支援者に手話で「ありがとう」と伝えた。