パーマークが薄いヤマメ。降海途中の個体か 6月1日はヤマメ釣りの解禁日。この日を心待ちにしていたファンは多いだろう。ヤマメは、新魚であるサクラマスとスモルト化して海に下る幼魚を保全するために禁漁期間が設けられている。川に遡上(そじょう)したサクラマスは釣ってはいけないが、幼魚のヤマメは道央・道南では4~5月が禁漁。晴れて釣りができるのは6月からになる。解禁日の状況をお伝えしたかったが、あいにく仕事の都合で2日の釣行になってしまった。
記者が行ったのは車で1時間ほどの近郊河川。小規模だが、ヤマメの魚影は濃いのでお気に入りの一つである。日中はかなり暖かくなる予報だったので軽装で出掛けた。
現地は釣り人らしき車が2台駐車してあったので、少し下流側に移動して入渓することにした。車から7・6フィート#4ロッドを取り出してセット。5Xリーダーに#10エルクヘアカディスを結んで釣りを開始した。
初めに釣れたのはウグイ。ウグイも多い川なので予想していたが、やはりがっかりだ。次こそヤマメと思ったが、釣れたのはやはりウグイ。少し下流に移動し過ぎたかと思いながら、取りあえずそのまま続行。5~6匹目にようやく15センチくらいのヤマメが釣れた。
魚体が銀毛してピカピカしパーマークが薄い。降海する個体に違いない。数年来、この川で釣りをしているがこんなことは初めてだった。こんな魚もいるかもしれないと思いながら、次に釣れたのも銀毛。本来なら5月中旬くらいにはもういないはずの個体だ。
変だと思いながら、深みに目を向けるとウグイの群れに混じって50センチほどのサクラマスが流心を悠々と泳いでいた。砲弾型の魚体はやはり格好良い。思わずさおを出したくなるがここは我慢だ。
せきが見えてきた。落ち込みが深くえぐれていて、いかにも大型が潜んでいそうな好ポイントだ。フロータントで浮力を復活させたドライフライを投げるとすぐにヒット。釣れたのはまたもや銀毛ヤマメ。結局この日釣ったヤマメの8割ほどが銀毛だった。一体今年はどうなっているのだろう。
(大中 ■(吉の士が土) 隆)