農林水産省は9日、全国のスーパーで5月26日~6月1日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が、前週より37円安い4223円だったと発表した。2週連続で下落し、下げ幅は拡大した。ただ、前年同時期の約2倍の水準での推移が続いている。農水省によると、今回の調査には、随意契約を通じた政府備蓄米の販売は含まれていない。
最近では、随意契約による2000円程度の備蓄米が店頭に並びつつあり、今後はコメ全体の平均価格の引き下げが、さらに加速するかどうかが焦点となる。
調査は全国のスーパー約1000店舗のデータに基づく。競争入札で放出した備蓄米の多くがブレンドされていることから、農水省は平均価格に加え、コメの販売数量に占めるブレンド米比率も発表。前週比3ポイント上昇の39%で、放出前の19%から比率が2倍に高まった。
さらに農水省は、備蓄米と推察されるコメの店頭価格について、全国計345店舗を抽出した独自調査を公表。原則6月5日時点で、比較可能な都道府県別の中央値は、最高値が滋賀県の税抜き4280円、最低値が福井県の同3000円と、価格差は1280円だった。
政府は3~4月、計約31万トン分の備蓄米を対象に入札を実施。農水省が直近で調査した5月11日までの流通状況によると、スーパーなどの小売業者に届いた備蓄米はわずか約2・7万トンにとどまっている。5月下旬からはスピード重視の随意契約による売り渡しで、小売業者へ計30万トン分の追加放出を進めている。