ライスワークでなくライフワーク(2) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年6月29日
ライスワークでなくライフワーク(2) 青谷(あおや) 尚人(なおと)

  前回は市場全体の長所と短所に気付いたことをお伝えしました。今回は、長所を「まだ知られていない商品がある」としたことについて少しお知らせします。

   私はいわゆる「食道楽者」で、生まれはオホーツク海に面した紋別市、初めての勤務先は日本海に面した小樽市だったので、「海のもの」に相当ぜいたくをしてまいりました。18歳の時に原付きバイクの免許を取り、最初に行ったドライブが「積丹のうに丼を食べに行く」といったもので、丸一日かけて食べ物にお金を使う生活でした。仕事が事務系で運動量が少なかったこともあり、ぶくぶく太って、現在より20キロは重かったと思います。

   このような生活をしていたので、海のものには口が肥えていると自負しております。しかし、そんな私でも苫小牧市港町にある海の駅ぷらっとみなと市場の山本水産が提供する「自家製ホッケの開き」を食べた時は衝撃を受けました。干物なのにジューシーで脂が乗っているのです。

   少しでもおいしく、と食べ方を研究しました。まずは骨を外して骨に付いた身を歯でこそいで食べる。次に脂の乗った身を日本酒を飲みながら食べ、締めは薄口しょうゆのたっぷり付いた皮をご飯と一緒に口に運ぶ。最高です。

   自家製干物で表面は乾いているものの、中は生の状態なので、蒸気でふっくらと焼けるのです。私が最初に見つけた「まだ知られていない商品」でした。意外にもそれはぜいたく品でなく、とても身近なものだったのです。(続く)

  (海の駅ぷらっとみなと市場事務局長・苫小牧)

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