日高町の門別競馬場で開催されているホッカイドウ競馬で今月19日、2歳馬による重賞、栄冠賞(ダート1200メートル、1着賞金500万円)が行われた。中央、地方競馬を通じて今年最初の2歳重賞で、父がホッコータルマエという血統のベラジオゼロ(牡、田中淳司厩舎、日高町・豊洋牧場生産)が3連勝で優勝。2022年生まれのサラブレッドで第1号の重賞勝ち馬となった。とまこまい観光大使を務めるなどして知られるホッコータルマエだが、本業の種牡馬としても、しっかり仕事をしています。
ホッコータルマエは09年浦河町・市川ファームで産まれた。父キングカメハメハ(安平町ノーザンファーム生産)は3歳春にNHKマイルカップと日本ダービーのG1競走を制している。その血を継いだホッコータルマエは現役時、国内と海外で走り17勝を挙げ、中央競馬で14年最優秀ダートホース、地方競馬でも13~15年ダートグレード競走特別賞として表彰されている。種牡馬入り後も毎年100頭を超える繁殖牝馬と交配しており、今年も6月末までに120頭を超える人気ぶり。産駒は20年からデビューし、ベラジオゼロの栄冠賞勝利は5世代連続、計16頭目の重賞勝ちとなる。
オーナー(馬主=うまぬし)である北幸商事の矢部道晃氏が苫小牧市で建設業を営んでおり、馬名は市のシンボルともいえる樽前山に由来するのは広く知られる通り。現役時代からとまこまい観光大使に就任し公式キャラクターとまチョップとともにPRにひと役買ってきていることなども、本紙で紹介されている。22年には人気ゲーム「ウマ娘プリティダービー」のキャラクターとしても登場、郷土愛のあふれる「苫小牧からやって来たローカルアイドルウマ娘」とのキャッチコピーで人気を博している。地元銘菓「よいとまけ」とのコラボ商品販売の話題も楽しい。
”本業”に話を戻すと、産駒の合計収得賞金で種牡馬の順位を決めるサイヤーランキングで、現在、ホッコータルマエは2歳馬の総合ランキングで1位にいる。ベラジオゼロは今回1200メートルのレースを勝ったが、父の競走成績、これまでの産駒の実績から距離はさらに延びてからの方が良いタイプと関係者も口をそろえている。
(フリーライター・大滝貴由樹)