安平町は27日、町内の小中高校生や保護者などが最新のデジタル機器や技術に触れる「あびらデジタル体験事業」を町ふれあい交流館みなくるで開始した。初日は小学1年生から中学3年生まで19人が参加し、プログラミングや映像制作、コンピューターゲームの勝敗を競うeスポーツなどを経験し、楽しみながら知識を身に付けた。
デジタル技術を児童生徒に身近に感じてもらうのが狙い。同館の一室にVR(仮想現実)のゴーグル、3Dプリンターなどの機器を用意した。音楽生成ソフトによる演奏や作曲、タブレットを使ったイラストやオリジナル映像の制作、3Dプリンターでの多様な形の立体物の造形などができる。
子どもたちは午後3時から同5時すぎまで興味を持ったブースに移動し、町職員らの指導を受けながら、機器を使って作曲やイラスト制作などを体験した。特にeスポーツの人気が高く、パズルゲームやレースゲームをしようと列をつくり、終了時間までコントローラーを手に取り、コンピューターゲームに熱中していた。
早来学園4年生の髙杉寧音(ねね)さん(9)は「めちゃくちゃ楽しかった。イラスト制作が印象に残った」と声を弾ませる。友人で4年生の八田こなつさん(9)も「学校でもプログラミングを学んでおり、また来たい」と笑顔を見せた。
町はデジタル人材の育成を見据え、同様の事業を2023年に外部に委託して行った。今年5月には民間企業など7団体と「あびらスマートワーク」の連携協定を締結。町民のデジタル技術習得などに力を入れており、あびらデジタル体験事業は同協定を踏まえて企画した。
町総務課情報グループは「デジタル技術で仲間と創作などを体験し、1人ではできないことを実現して得た知識について、教え合ったり関心を深めたりしてもらえれば」と話す。
体験イベントは8月29日まで週1回実施し、予約はほぼ埋まった。一方、大人がIT(情報通信)技術を学ぶために、早来学園で7月13日に開く無料学習プログラム説明会は、参加の申し込みを町ホームページで受け付けている。
同グループは「デジタルスキルを仕事に生かしたい、在宅ワークに興味がある人は参加してほしい」と呼び掛けている。