少ないチャンスを生かした。ソフトバンクの秋広が四回に先制の2点適時打。巨人から移籍後初どころか、今季初の打点を挙げ、「何とか一本出てよかった」。勝利に貢献して胸をなで下ろした。

　DeNAの先発は昨年の日本シリーズでチームが抑え込まれ、試合前までセ・リーグ防御率1位の左腕ケイ。小久保監督は左打者8人を並べるオーダーで臨み、秋広は6番に名を連ねた。四回2死二、三塁の好機で速球に差し込まれながらもしぶとく左前に打ち返し、「前の打席で三振し、やり返すという強い気持ちで打席に入った」。六回にも安打を放った。

　5月にリチャードとのトレードで巨人から加入したが、出場機会には恵まれていない。小久保監督からは、練習で軽くバットを振って当てにいく姿をたしなめられた。「試合ではいいが、練習でやるのは王（貞治）イズムに反する」。日々の練習から全力で取り組むことを求めてきた指揮官は「ホークスの一員になったという実感の出たヒットでは」と活躍を喜んだ。

　2メートルの長身で将来を期待されてきた22歳は「最初からやりやすい環境をつくってもらったので、感謝してこれからも頑張りたい」と意気込む。環境の変化でどのように成長するのか、周囲は注目している。