苫小牧工業高校(小山彰博校長)で12日、プロスタントマンによる交通事故の再現で危険な行為を伝えるスケアード・ストレイト教育技法の自転車交通安全教室が開かれた。全校生徒657人が、事故現場に遭遇したような感覚で危険な運転について学び、交通安全意識を高めた。
どんな運転が危険か、自転車利用の多い高校生に知ってもらい、事故を防ごうと、全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)や苫小牧署などが主催した。
スタントマンは自転車に乗り、ながらスマホや並走を実演。後方や横から飛び出してきた車やバイクにぶつかり、体は自転車ごと宙に舞った。生徒は衝突寸前に「きゃー!」「危ないー!」と悲鳴を上げ、自動車の運転速度はゆっくりでも、ぶつかると数メートルは飛ばされる恐怖に冷や汗を流していた。
このほか、自転車の乗車時にはヘルメットの着用が2023年4月に努力義務になったこと、車の死角や内輪差に注意しなければならないことも指導された。
生徒たちは命を張って実演したスタントマンに大きな拍手を送り、改めて安全運転を心に誓っていた。
3年の高井恒紀さん(18)は「体が想像以上に飛ばされるのを見て、今まで以上に気を付けようと思った」と気を引き締めた。
同署交通第1課の宮崎翔太課長は「自転車は便利で手軽な乗り物だが、マナーを守らないと事故の加害者、被害者になる。きょう学んだことを実践し、事故を未然に防いでほしい」と呼び掛けた。