パーキンソン病(PD)患者の腸内細菌のDNAを解析した結果、ビタミン●【b32a】、●【b32b】の生合成酵素に関わる細菌の遺伝子が減少し、補充療法が有効である可能性が示されたと、名古屋大大学院などの研究グループが発表した。
PDの発症に関与するタンパク質の異常な凝集は腸管から始まると考えられている。研究グループは腸内細菌に着目し、国内のPD患者94人の便から細菌のDNAデータを収集。海外で報告されたPD患者の腸内細菌に関する研究5件の結果と統合して解析した。
その結果、PD患者ではリボフラビン(ビタミン●【b32a】)とビオチン(ビタミン●【b32b】)の生合成酵素に関わる菌の遺伝子が減少していた。また菌の代謝で生成される物質のうち、食物繊維の消化に関わる腸内短鎖脂肪酸と免疫機能に関わるポリアミンも減少していた。
研究グループは「PDの新たな治療法として、リボフラビン、ビオチンの補充が有効な可能性がある」と期待している。(メディカルトリビューン=時事)